症状
38度以上の発熱と全身のだるさ、疲れやすさ
日本人は、約70%の人が2〜3歳頃までにEBウイルスに感染して、20代では約90%の人が免疫があるといわれています。
2〜3歳頃では感染しても無症状のことが多く、症状があっても軽い風邪程度で済んでしまいます。
しかし、思春期以降に感染すると、約50%は伝染性単核球症を発症するといわれています。
伝染性単核球症の主な症状は以下のとおりです。
● 38度以上の発熱
● のどの痛み
● 全身のだるさや疲れやすさ
● 首のリンパ節の腫れ
● 体幹や腕などに発疹や赤み
発熱とだるさや疲れやすさは、伝染性単核球症の患者さんのほとんどで見られます。伝染性単核球症になると、肝臓や脾臓が肥大し、肝機能に異常が見られるためです。これらの症状は、数週間続く場合があります。
原因
EBウイルスによる感染
伝染性単核球症の原因は、そのほとんどがEBウイルスによる感染です。EBウイルスはヘルペスウイルスの一種です。
EBウイルスに感染しても、必ずしも伝染性単核球症になるわけではありません。日本では多くの人が幼い頃にすでに感染を経験し、症状がないまま一生を過ごします。
また、EBウイルスは唾液から感染するため、キスや飲み物の飲み回しで感染することがあります。しかし、過去に感染をしていても全員の唾液にウイルスが含まれているわけではありません。
診断と治療
伝染性単核球症の診断
伝染性単核球症の診断では、問診、視診、触診、採血による検査が行われます。
触診では、肝臓や脾臓が大きくなっていないかどうかを確認します。
採血による検査では、リンパ球や肝機能の数値などを調べます。また、血液からEBウイルス感染でつくられる抗体を調べる検査も行います。
伝染性単核球症の治療
伝染性単核球症そのものの治療法はないため、症状に合わせた対処をする対症療法を行います。
約4〜6週間で症状は自然に治ることが一般的です。
医療機関受診のポイント
だるさや疲れやすさが続く場合には受診を
1週間以上続くだるさや疲れやすさ、発熱があり、口の中が赤くなったり喉の痛みが強いようなときは、早めに医療機関を受診しましょう。
診察室で医師に伝えること
診察を受ける際には、以下のことを伝えるようにしましょう。
● いつからどのような症状があるか
● 症状の程度
● 他の人とのスキンシップなど、濃厚接触する機会があったかどうか
受診すべき診療科目
● 内科