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いかいよう・じゅうにしちょうかいよう 胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸の粘膜がただれて傷ついた状態

診療科目

内科 消化器科

からだの部位

腹部 食道・胃・腸

分類

消化器

症状

胃潰瘍はみぞおちの左、十二指腸潰瘍は右に痛み

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の主な症状は以下のとおりです。

腹痛 (みぞおちのあたりに痛み)
胸やけ
腹部膨満感 (お腹の張り)
吐き気・嘔吐
食欲不振
吐血
下血

胃潰瘍では、食後しばらくしてからみぞおちの左側に痛みを感じることが多いと言われています。一方、十二指腸潰瘍では、空腹時や夜間にみぞおちの右側に痛みが出ます。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍は、進行に伴い、吐血や下血の症状が見られます。
吐血は、胃の中に血液が流れ込み胃酸により酸化するため黒くなり、コーヒーかす状のものを嘔吐します。下血は、便に血液が混ざり、黒い便(=タール便)が見られます。
大量に出血した場合は、真っ赤な血液を嘔吐、排泄されます。

さらに進行して組織が深く傷つけられると、最終的に胃壁に穴が開いてしまいます。これは大変危険な状態で命にも関わります。

原因

ピロリ菌感染やストレスが原因になることが多い

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の主な原因は以下のとおりです。

ピロリ菌の感染
早食い
暴飲暴食
飲酒
喫煙
ストレス

ピロリ菌の感染が原因になることが多いです。胃潰瘍では、7割〜9割の患者さんがピロリ菌に感染していたという報告もあります。
40〜50歳代の罹患者が多い胃潰瘍に対して、十二指腸潰瘍は20〜40歳代の男性に多く、特に都市部で増えていると言われます。若い世代は胃酸の分泌が盛んなのですが、ストレスも関係していると考えられています。

また、お薬の副作用として胃潰瘍、十二指腸潰瘍になることもあります。
炎症や痛みを抑えたり、解熱のために用いられる「非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)」は、胃酸の分泌が増えたり、胃の粘膜の血流が悪くなるという副作用があります。もともと胃に不安があるという方は、他の症状で医療機関を受診する際に医師に相談するようにしましょう。

診断と治療

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断

胃潰瘍、十二指腸潰瘍は、X線検査(バリウム検査)や内視鏡検査を行い診断します。

X線検査
バリウムという白い液体を飲んだ後にX線を用いて撮影し、胃壁に付着するバリウムの様子(凹凸など)を観察します。

内視鏡検査
先端にカメラがついている細い管を口や鼻から挿入して、画面に映し出された胃壁の状態を直接見るという方法です。

胃がんの症状は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の症状と似ているため、内視鏡検査で状態を観察して区別することが大切です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

胃潰瘍、十二指腸潰瘍は、基本的にお薬による治療を行います。胃酸を抑える薬剤が使われます。
内視鏡検査の際、出血が見られる場合は、内視鏡を用いて止血剤を注射したり、血管を焼いたりして止血が行われます。
ピロリ菌に感染している場合は、経口薬を一定期間服用することで、ピロリ菌の除菌を行います。
胃壁に穴が開いている場合は、外科的手術にて閉じる手術が行われることもあります。

予防

食生活の見直しとストレスをためない生活を

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防には、生活習慣の改善や、ストレスによる胃や十二指腸の負担を予防することが大切です。

バランスの良い食生活を心がけ暴飲暴食は避けましょう。
アルコールの摂取も適量とするようにしましょう。
喫煙している方は、禁煙する努力をしましょう。
ストレスをためこないようリフレッシュしましょう。
十分な睡眠をとりましょう。

医療機関受診のポイント

腹痛などの症状が続く場合は早めに受診を

腹痛や吐き気、嘔吐、食欲不振などの症状が続くようであれば、医療機関を受診するようにしましょう。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍は進行すると、危険な状態になることもあるため、気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。
また、激しい痛みや吐血、下血などの症状があれば、緊急対応が必要な場合があるため、速やかに医療機関を受診してください。

診察室で医師に伝えること

医療機関を受診する際には、以下のことを担当医師に伝えるようにしましょう。
症状の継続期間
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の既往歴 (以前かかったことがあるか)
現在内服中の薬剤
吐血や下血があればその詳細

受診すべき診療科目

消化器科
内科

内視鏡検査の設備がある医療機関を受診しましょう。
吐血、下血がある場合には、緊急的な処置が必要となる場合があります。夜間、休日でも救急外来などを受診してください。

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