症状
ヒューヒュー、ゼーゼーと音が鳴る
喘息の主な症状は以下のとおりです。
喘息では、気管支=空気の通り道が炎症によって狭くなっているため、呼吸が苦しくなるのが特徴です。
● 激しい咳
● 痰
● 喘鳴(ぜいめい): 呼吸に合わせてヒューヒュー、ゼーゼーと音が鳴る
症状が重症になると、話したり、歩いたりするのも難しいほど息苦しくなり、呼吸困難になります。
日中は比較的症状が落ち着いていても、夜間や明け方に症状が強くなる場合もあります。
原因
多くがアレルギー反応
喘息の原因は、その多くがアレルギー反応です。
アレルギー反応の原因となる物質=アレルゲンは、身近なものであることが一般的です。
ただ、大人の喘息では、このアレルゲンが特定できない非アレルギー性が多く、過労やストレスなども関係していると考えられています。
【主なアレルゲン】
● ダニやハウスダスト
● 花粉
● 犬や猫などのペット
● 食べ物
● 化学物質 など
また、以下は、喘息の発作を起こしやすくします。
● 風邪やインフルエンザ
● タバコ
● アルコール
● ストレス
● 寒暖の差
● 運動 など
診断と治療
喘息の診断
喘息の診断では、問診と、以下のような検査を行います。
● スパイロメトリー(呼吸機能検査)
息をいっぱいいっぱいに吸い込んでから、その息を力強く吐き出す検査です。努力性肺活量(息を思いきり吸い込んだ時の肺活量)、息を吐くスピードや吐くまでの時間などを測定します。
喘息があると空気の通り道が狭くなっているので、最初の1秒間に吐き出す息の量が少なくなっていたり、ピークフロー(最大呼気量)という吐き出した空気の最大値が低くなる傾向にあります。
● 胸部レントゲン検査
肺炎などの合併症がないか、喘息に似た症状を持つ呼吸器疾患との判別のために行います。
● 血液検査
どのようなアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に反応するか血液を使って判断します。
● 皮膚反応テスト
アレルゲンとなる物質のエキスを皮膚に直接つけて、どのような反応を示すかでアレルギー反応をみます。
喘息の治療
喘息の治療では、できるだけ正常に近い呼吸状態を維持し、支障なく日常生活を送れるようにすることが目標です。
そのため、検査結果や発作の頻度から、以下2種類の薬を計画的に使用します。
● 長期管理薬(コントローラー)
喘息発作が起きないように予防するための薬です。効果を持続するために、長期的に継続する必要があります。
炎症を治すための吸入ステロイド薬と、体内のアレルギー反応をおさえる抗アレルギー薬が使用されます。
● 発作治療薬(リリーバー)
喘息発作が起きた時に発作を鎮めるために用いる即効性のある薬です。
気道を拡げ、呼吸を楽にする気管支拡張薬が用いられます。
また、アレルギー性の喘息であれば、日常生活において可能な限りアレルゲンを除去することも大切です。
予防
日常生活で喘息発作をおさえる工夫を
喘息そのものは予防が難しい病気です。
喘息の患者さんは、日常生活で喘息発作を引き起こすきっかけをなるべく排除するように心がけましょう。
原因となりうるハウスダストやダニ、ペットの毛を避けるため、こまめに掃除をしたり、ストレスや疲れをためないように十分な休養をとるようにしましょう。また花粉症の方は、マスクの着用等、花粉対策もしっかりしましょう。
医療機関受診のポイント
激しい咳を繰り返す場合は受診を
喘息は、発作が治まっても放っておいてよいわけではなく、長期的に治療が必要な病気です。また、喘息は子供だけがかかる病気でもありません。成人してから喘息になる人もいます。適切な治療をするには、正しい診断が欠かせません。激しい咳が繰り返し出たり、呼吸時にヒュー、ゼーゼーと音が聞こえるようなときには、医療機関を受診しましょう。
診察室で医師に伝えること
医療機関を受診する際は、以下の内容を医師に伝えましょう。
● どのような時に咳が出るか
● 咳はいつ頃から始まったか
● 夜間や明け方に咳がひどくなると感じるか
● 他に症状はあるか
● アレルギーを持っているか
● 家族に喘息やアレルギーに患っている人がいるか
受診すべき診療科目
● 小児科
● 内科
● 呼吸器科
● アレルギー科