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すいとう(みずぼうそう) 水痘(みずぼうそう)

水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症

診療科目

内科 小児科

からだの部位

全身 皮膚

分類

感染症

症状

赤い発疹が身体の中心から手足に拡がる

水痘の初発疹の写真
数日経過後の写真
かさぶたになった写真

水痘は、原因となるウイルスに感染後、2週間程度の潜伏期間を経て、症状があらわれます。
主な症状は以下のとおりです。

発熱
全身のだるさ
発疹

発疹は、身体の中心から手足に広がっていくように全身にあらわれます。
また、紅斑という赤い発疹からみずぶくれになり、そしてかさぶたができるように変化していきます。

【学校の出席停止について】
水痘は、とても感染力の強い感染症です。
そのため、第2種の感染症に指定されており、学校保健安全法で一定期間の出席停止が義務付けられています。
出席停止の期間は、すべての発疹がかさぶたになるまでです。ただし、医師が感染のおそれがないと認めたときはこの限りではありません。

【大人の感染について】
子どもの病気というイメージがありますが、一度も水痘にかかったことがなく、予防接種も受けていない場合は、大人でも感染します。
大人になってからかかると、高熱が出るなど重症化しやすい傾向があります。また、肺炎や脳炎、髄膜炎などの合併症になるリスクも高いといわれています。特に、妊婦が感染すると、胎児にも影響する場合もあるため、流行している時期には注意が必要です。

原因

水痘帯状疱疹ウイルスの感染による

水痘の原因は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染です。
感染経路、接触感染と飛沫感染、空気感染です。

接触感染
皮膚の小さな傷口や粘膜からウイルスが入り込むことで感染します。
感染者が水疱やかさぶたを掻いて出た液体や血液にはウイルスが含まれており、それに触れた手から感染します。

飛沫感染
感染者がくしゃみや咳をした際に飛び散った飛沫を吸い込むことで感染します。

空気感染
水痘帯状疱疹ウイルスは非常に感染力が強いため、空気感染もします。
咳やくしゃみで飛び散った飛沫に含まれる水分が蒸発し、後に残った粒子(飛沫核)が空中を漂い、それを吸い込むことで感染します。


尚、水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘の症状が治まった後も神経節という部位に潜伏しています。(潜伏感染)
体調の悪化などをきっかけに、ウイルスが活発化することがあり、帯状疱疹となって現れます。

診断と治療

水痘(みずぼうそう)の診断

水痘は、特徴的な発疹が出るため、基本的にはその所見で診断を行います。
必要に応じて、血液検査やウイルス検査を行うことがあります。

水痘(みずぼうそう)の治療

水痘帯状疱疹ウイルスには、症状に合わせた対症療法が治療の基本となります。
安静にして、ウイルスが体内から排除されるのを待つようにします。

予防

ワクチン接種を

水痘の予防にはワクチンが効果的です。
成人の方でこれまでに水痘にかかったことがない場合は、予防接種を受けることをおすすめします。また、妊娠を希望している女性で、同様に水痘にかかったことがない方は、妊娠前に予防接種を受けるようにしましょう。
尚、平成26年以降、水痘ワクチンは定期予防接種になっていますので、12〜36ヶ月までの対象年齢の子どもは公費(無料)で受けることができます。

流行期には、手洗い・うがいの励行、マスクの着用を心がけましょう。
また、疑わしい症状がある場合は、感染拡大防止のためにも早めに医療機関を受診し、医師に指示に従って学校を休むようにしましょう。

医療機関受診のポイント

発疹や水ぶくれが複数見られたら早めに受診を

子どもに発疹や水ぶくれが多発した場合には早めに医療機関を受診しましょう。特に水痘が流行している時期には注意が必要です。
大人でも感染することがあることを理解し、適切な対応をとりましょう。

診察室で医師に伝えること

医療機関を受診する際は、以下の内容を医師に伝えましょう。
いつから発疹が出たか
頭痛はあるか
発疹の様子に変化はあるか

受診すべき診療科目

小児科
内科

すいとう(みずぼうそう) 水痘(みずぼうそう)