メディカルウェブ事典

ぜんていしんけいえん 前庭神経炎

突然、激しい回転性めまいを引き起こす病気

診療科目

耳鼻咽喉科

からだの部位

耳・鼻・口

分類

症状

ぐるぐる回るめまいが突然に激しく起こる

前庭神経炎の症状は以下のとおりです。

激しい回転性めまい
吐き気・嘔吐
冷や汗

めまいを発症する前に、かぜのような症状が起こることが多いです。
めまいの特徴は、自分や周囲がぐるぐる回っているように感じる回転性めまいです。このめまいが、突然起こり、歩くことも困難なほどになります。
めまいは、徐々に軽快し、2〜3週間程度でなくなるのが一般的です。

原因

身体の平衡感覚を司る前庭神経に何らかの原因で炎症

前庭神経炎の明確な原因はわかっていませんが、前庭神経に炎症が起こることで発症します。
前庭神経は耳の奥(内耳)にあり、身体の平衡感覚を司る役割をしています。ここに炎症が起こることで、身体の平衡感覚が保てずに激しいめまいにつながると考えられます。
炎症が起こる原因としては、ウイスル感染やアレルギー、血液の循環障害などが推測されていますが、詳しくはわかっていません。

診断と治療

前庭神経炎の診断

前庭神経炎の診断では、問診と以下のような検査を組み合わせて行います。
めまいを伴う病気は命に関わるものもあるため、それらの病気と区別することが大切です。

聴力検査
聴力の低下の有無によって原因となる場所が変わるため、聴力検査を行います。
前庭神経炎では、聴力の低下を伴わないので、鑑別診断に有効です。

平衡機能検査
平衡機能の異常を把握する検査で、実際に平衡機能に異常を起こしている原因がどこにあるのかを特定することができます。
小脳や耳など、めまいにはさまざまな原因があるため、これらの原因を特定することで正確な診断につながります。

血性ウイルス抗体価検査
前庭神経炎は、ウイルスが原因となっているという説が一般的な通説として受け入れられているので、ウイルス感染の有無を確認します。

前庭神経炎の治療

前庭神経炎の治療は、症状をやわらげる薬を使用することが一般的です。
炎症を抑えるために、ステロイド薬を使用することもあります。

前庭神経炎の症状は、2〜3週間程度で自然に治まることが多いです。薬で症状を緩和しながら、安静にして過ごし、自然回復するのを待つのが一般的です。

医療機関受診のポイント

突然の激しいめまいを感じたら医療機関を受診しましょう。

めまいには、さまざまな原因があり、時として命に関わる場合もあります。突然、激しいめまいを感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。

診察室で医師に伝えること

医療機関を受診する際は、以下の内容を医師に伝えましょう。
どのようなめまいがいつから起こっているか
吐き気の度合い
難聴のような症状があるかどうか
耳が詰まったような感覚があるかどうか
風邪をひいていたかどうか
症状に変化があるか(強くなっている、軽くなっている等)

受診すべき診療科目

耳鼻咽喉科

ぜんていしんけいえん 前庭神経炎

診療科目

耳鼻咽喉科

からだの部位

耳・鼻・口

分類