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たいじょうほうしん 帯状疱疹

身体の左右どちらかに帯状の発疹

診療科目

内科 皮膚科

からだの部位

全身 皮膚 神経

分類

感染症

症状

身体の左右どちらかに帯状の発疹

帯状疱疹の一例

帯状疱疹の症状は、身体の左右どちらかに発疹が帯状のように現れます。神経にそって拡がります。
帯状疱疹の発疹の特徴は以下のとおりです。

発疹が出る前に皮膚にチクチク・ピリピリした痛み、または、かゆみがある
その後、赤いブツブツの発疹が出る
発疹は顔・胸・背中・お腹などの一部から身体の左右どちらかに帯状に拡がる
発疹はやがて水ぶくれになり、かさぶたに変化する

発疹が出てからかさぶたになるまでは、一般的には3週間程度です。
通常、痛みは発疹が改善するとともになくなりますが、発疹が治っても痛みが続くことがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。
また、耳や顔の周囲の神経で発症すると、難聴や顔面神経麻痺を引き起こすおそれもあります。

原因

水痘帯状疱疹ウイルスの感染による

帯状疱疹の原因は、水痘帯状疱疹ウイルスの感染によるものです。
水痘(みずぼうそう)の原因となる水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘の症状が治った後も体内の神経節という部位に潜伏しています。(潜伏感染)
加齢により子どもの頃にかかった水痘やワクチン接種による免疫の効果が徐々に弱まっているところに、過労やストレスなどが重なると発症しやすいと考えられています。

帯状疱疹に引き起こす主なきっかけは以下のとおりです。

過労・ストレス
加齢
皮膚のバリア機能の低下(アトピー性皮膚炎など)

糖尿病や白血病などで免疫力が低下している方も発症しやすいといわれています。

診断と治療

帯状疱疹の診断

帯状疱疹は、特徴的な皮膚症状が出現するため、問診と視診で診断することができます。
必要に応じて、血液検査などを行う場合があります。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療は、薬物療法で行います。

抗ウイルス薬
ヘルペスウイルスの増殖を防ぎ、神経の炎症を抑えます。
早期に使用することで、症状を軽減し、帯状疱疹後神経痛などの後遺症を予防する効果があります。重症化しないようにするため、症状が出現してから3日以内に使用することが推奨されています。
※水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種。

抗炎症薬
炎症を抑えながら、チクチク・ピリピリした痛みを軽減します。

抗生物質
水ぶくれがある場合、水ぶくれが破れることで細菌感染を招きやすくなります。
感染を防ぐため、水ぶくれがある場合には抗生物質が処方されることがあります。また、症状が治っても2週間は内服しなければなりません。

予防

規則正しい生活をして十分な休養を

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水痘やワクチン接種による免疫の効果が徐々に弱まることも発症の一因になります。
そのため、免疫力が低下している高齢者等は、再度、ワクチンを接種することで予防することができます。まずは医師に相談しましょう。

また、過労やストレスが発症のきかっけになるため、規則正しい生活をして十分な休養をとるように心がけましょう。

医療機関受診のポイント

身体の片側にだけ痛みやかゆみ、発疹がでたら早めに受診を

身体の片側だけに痛みやかゆみ、発疹などの症状が出たら、なるべく3日以内に医療機関を受診しましょう。
早期に治療することで、重症化を防ぐだけではなく、症状も軽減することができます。

診察室で医師に伝えること

いつから症状が出たか
痛み、かゆみ、発疹、水疱など、どのような症状があるか
痛みやかゆみの強さ
神経痛があるか
水痘(水ぼうそう)に感染したことがあるか

受診すべき診療科目

皮膚科
内科

たいじょうほうしん 帯状疱疹