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しゅっけつせいちょうえん 出血性腸炎

薬の副作用で腸の壁に炎症や潰瘍

診療科目

内科 消化器科

からだの部位

腹部 食道・胃・腸

分類

消化器

症状

服薬後に激しい腹痛と下痢、血便

出血性腸炎は、原因となる薬剤を服用してから2〜3日後、比較的早く症状が出ることが特徴です。
主な症状は以下のとおりで、突然あらわれます。

激しい腹痛
下痢
血便

同じ薬剤性腸炎に、偽膜性腸炎があります。
出血性腸炎とは異なり、偽膜性腸炎の場合は、一定期間の服薬後、数日〜数週間後に症状が出ます。
血便が出ることま稀で、下腹部の鈍痛や下痢、発熱がみられるという特徴があります。

原因

ペニシリン系の抗生物質が原因になることが多い

出血性腸炎の原因となる薬剤でもっとも多いのが抗生物質(ペニシリン系が多い)です。
そのほかにも、抗がん剤や免疫抑制剤、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などでも起こります。

出血性腸炎は、原因となる薬剤へのアレルギー反応ではないかと考えられていますが、明確な原因はわかっていません。

診断と治療

出血性腸炎の診断

抗生物質の服薬後に症状が出ている場合は、出血性腸炎を疑い、検査をして診断を行います。
似たような症状がみられる虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、出血性大腸炎とは区別する必要があります。

主に以下の検査を行います。

大腸内視鏡検査
血液検査
便培養検査

出血性腸炎の治療

出血性腸炎は、まずは原因となっている薬剤の投与を中止します。
その上で症状に合わせて、下痢がひどい場合は、腸を安静にするため絶食し、点滴による水分や栄養分の補給を行います。
腸内環境を整えるための整腸剤を使用することもあります。

出血性腸炎は、数日から1週間程度で症状は改善します。

医療機関受診のポイント

薬の服用後に突然の激しい腹痛や下痢、下血が見られたら受診を

診察室で医師に伝えること

医療機関を受診したら、以下のことを医師に伝えましょう。
腹痛の程度(痛みの場所、いつからか、どんな痛みか、食事との関係、熱はあるか、鎮痛剤などの薬を服用したか)
下痢の程度(急に起こったか、慢性的に続いているか、血便や粘液が出るか、発熱や体重減少などを伴うか)
2週間以内に抗生物質を投与したかどうか(お薬手帳を持参しましょう)
今までにかかった病気

受診すべき診療科目

内科
消化器科

しゅっけつせいちょうえん 出血性腸炎