メディカルウェブ事典

てあしくちびょう 手足口病

ウイルス感染により手足や口の中に水疱

診療科目

内科 小児科

からだの部位

四肢 皮膚 耳・鼻・口

分類

感染症

症状

まず口の中に白い水疱や発疹が見られ、その後手足に

手の水疱
足の水疱
口内の水疱

手足口病の症状は、その名のとおり、手や足、口の中に水疱(水ぶくれ)ができます。
原因となるウイルスに感染後、3〜6日程度の潜伏期間を経て、まず口の中の白い水疱や発疹が見られ、その後、手足に広がっていきます。

【手足口病の発疹ができる主な場所】
口の中
手足の指の間
手の甲
足の裏
そのほか、肘や膝、太ももや腕、お尻などにできることもあります。

手足口病で発熱を伴う場合は、全体の3割程度で必ず発熱するわけではありません。発熱をしても38度以下で高熱になることはほとんどありません。
症状は3〜5日程度でなくなりますが、口の中の水疱や痛みで食事や水分の摂取ができない場合は、脱水症状に注意しましょう。
まれに重症化し、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系合併症を併発する場合もあります。

原因

コクサッキーウイルスなどに感染することで発症

手足口病の原因は、コクサッキーウイルスなどのウイルスに感染することです。
手足口病を引き起こすウイルスは10種類以上あるため、一度感染しても、別のウイルスに感染すれば手足口病を発症します。

感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んでしまうことです。
接触感染は、ウイルスの不着したものを触れた手などから感染することです。

診断と治療

手足口病の診断

手足口病の診断は、各部位の水泡や発疹の状態、性状、出現部位などから診断されます。
手足口病以外にも、口の中や手足に水疱や発疹ができる病気があるため、必要に応じて原因となるウイルスを特定する検査を行うことがあります。

手足口病の治療

手足口病は、原因となるウイルスに対する抗ウイルス薬はありません。
基本的に、症状がなくなるまで安静にして経過を観察することになります。
口の中の痛みにより食事や水分の摂取ができず、脱水があるような場合は輸液を行うこともあります。

予防

感染拡大の防止を

手足口病には、有効なワクチンはなく、予防接種を受けて予防するということはできません。
そのため、感染しないように日常生活で注意すること、また、保育園や幼稚園などでの集団感染を予防することが大切です。

感染予防のためには、手洗い・うがいの励行、また、子どもが触れたおもちゃなどを消毒アルコールなどで拭き掃除をすることも効果的です。
手足口病は、症状がなくてなっても、1〜2週間は咳やくしゃみに、2〜4週間は排泄物にウイルスが含まれるため、気付かずに周囲に感染を拡げてしまうこともあります。感染後しばらくはマスクを着用するなどしましょう。

医療機関受診のポイント

口の中や手足に水疱や発疹が見られたら受診を

口の中や手足に水泡、発疹が見られたら、医療機関を受診しましょう。
早期の受診は症状の重症化を防ぐだけでなく、感染拡大を予防するためにも大切です。

診察室で医師に伝えること

医療機関受診の際には、以下のことを担当医師に伝えましょう。
水泡や発疹の出現時期
食事は摂取できているか
水分は摂取できているか

受診すべき診療科目

小児科
内科

大人が感染することは多くありませんが、大人の方で気になる症状がある場合は内科を受診しましょう。

てあしくちびょう 手足口病