メディカルウェブ事典

はいえん 肺炎

肺に炎症が起こることで発熱、咳、息切れ

からだの部位

胸部

分類

呼吸器

症状

4日以上続く高熱と激しい咳

肺炎の主な症状は以下のとおりです。

発熱


息切れ(呼吸が苦しい)
胸の痛み

風邪であれば症状は2〜3日で治まりますが、肺炎では4日以上続きます。38度以上の高熱や激しい咳が4日以上続く場合は、肺炎の可能性があります。

【高齢者の場合】
症状がわかりにくいという特徴があります。
発熱や咳、痰などの症状があまりなく、なんとなく元気がない、食欲がない程度で、気づかないまま重症化していることもあります。高齢者の肺炎は命に関わります。いつもと様子が違うと感じたら、早めにかかりつけの医師に相談してください。

原因

細菌やウイルスなどさまざまな原因

肺炎は、細菌感染やウイルス感染、アレルギーなど様々な理由で、肺に炎症が起こることで発症します。
よく風邪が重症化すると肺炎になると言われますが、これは、風邪の原因となる細菌やウイルスがのどや気管支に炎症を起こし、その炎症が肺にまで進行すると肺炎になるからです。

肺炎の代表的な原因は以下のとおりです。

細菌性肺炎
細菌が肺に侵入することで起こる肺炎です。
例) 肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌など

ウイルス性肺炎
ウイルスが肺に侵入することで起こる肺炎です。
例) インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、麻疹ウイルスなど

非定型肺炎
病原微生物を原因とする肺炎です。
例) マイコプラズマ、クラミジア、レジオネアなど

誤嚥性肺炎
飲み込む機能の低下により、食べ物などが誤って気管や肺に入ってしまい起こる肺炎です。高齢者に多い肺炎です。

診断と治療

肺炎の診断

肺炎の診断では、主に以下の検査が行われます。

胸部レントゲン検査 / 胸部CT検査
血液検査
細菌検査(培養検査)

レントゲン検査で肺の状態を確認し、血液検査で炎症の程度を調べます。
細菌検査では、痰や血液中の細菌の種類を調べることで、抗菌薬が有効かどうかを判断します。

肺炎の治療

肺炎の治療では、病原体を倒すための抗菌薬治療と、症状を緩和するための対症療法を併用して行います。

【65歳以上の高齢者や子どもの場合】
重症化しやすいため、入院による治療を行うことが多いです。
高熱や激しい咳で十分に水分を取れないと脱水症を起こす危険性があるため、輸液により水分補給を行うことがあります。また、呼吸が苦しく、肺の機能が低下している状態であれば酸素を投与します。

予防

子どもと高齢者は肺炎球菌ワクチンの接種を

感染症に注意する
細菌やウイルスの感染が原因になるため、インフルエンザなどの季節性の感染症が流行している時期は特に注意してください。手洗い、うがいをしっかり行うこと、マスクを着用することが感染予防には有効です。
また、抵抗力や免疫力が低下していると、肺炎を発症しやすくなります。十分な栄養と休養をとることも大切です。

予防接種を受ける
インフルエンザや肺炎球菌にはワクチンがあります。
肺炎球菌ワクチンは子どもと高齢者は、公費(無料)で受けることができます。対象年齢がありますので、お住いの市区町村に確認し、積極的に予防接種を受けるようにしてください。


【肺炎球菌ワクチンについて】
ワクチンを接種してもすべての肺炎を予防できるわけではありません。
肺炎球菌が原因となる肺炎にはかかりにくくなりますが、その他の肺炎には注意してください。

医療機関受診のポイント

激しい咳や38度以上の高熱が続く場合は早めに受診を

風邪であれば症状は2〜3日で治まりますが、肺炎では4日以上続きます。38度以上の高熱や激しい咳が続く場合は、医療機関を受診してください。ただし、高齢者では症状がわかりにくいことがあります。元気がない、食欲がないなどいつもと様子が違うと感じたら、早めに医師に相談してください。

診察室で医師に伝えること

診察の際は、以下を医師に伝えましょう。

いつ頃からどのような症状があるか
現在治療している疾患があるか
周囲にマイコプラズマ肺炎の人がいないか
食事や水分は摂取できるか

受診すべき診療科目

内科
呼吸器科
小児科

はいえん 肺炎