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きょうまくえん 胸膜炎

胸膜に炎症が起こり胸の痛みや呼吸苦

診療科目

内科 呼吸器科

からだの部位

胸部

分類

呼吸器

症状

胸水が貯まることによる息苦しさと胸の痛み

胸膜炎の主な症状は以下のとおりです。

胸の痛み
呼吸困難

発熱   など

胸膜に炎症が起こると、毛細血管から水分=胸水が漏れ出てしまい、胸腔内に貯まってしまいます。これは胸膜炎の特徴的な症状です。
胸水が貯まることで、肺が圧迫され、十分に膨らむことができない状態になります。そのため呼吸が苦しくなります。
また、肺そのものには痛みを感じる神経が乏しいですが、胸膜には神経があるため、胸の痛みを強く感じるという特徴があります。

原因

細菌やウイルスによる感染が多い

胸膜炎は様々な原因で発症します。代表的な原因は以下のとおりです。

細菌感染
ウイルス感染
がん
膠原病    など

感染による胸膜炎は、肺炎を伴っていることが多いです。これは、肺に細菌やウイルスが侵入して炎症が起こる=肺炎が、胸膜にまで拡がることで発症するためです。

診断と治療

胸膜炎の診断

胸膜炎の診断では、胸水の確認と原因を特定するための検査を行います。

画像検査
レントゲン検査やCT検査、超音波検査などで、胸水がたまっているかを確認します。

培養検査
胸水を採取して、細菌やウイルスが含まれているかを調べます。
胸水の採取は、超音波で胸腔の位置を確認しながら、胸腔に針を刺して採取します。(胸腔穿刺)

細胞診
胸水にがん細胞がないかなどを調べます。

原因が特定できない場合は、胸腔鏡で胸の内部を直接確認したり、胸膜の組織を採取して調べることがあります。

胸膜炎の治療

胸膜炎の治療は、その原因によって異なります。
胸水が多い場合は、胸腔穿刺により胸水を抜き取ることがあります。

細菌感染
炎症の原因となる細菌に対する抗菌薬を使用します。

ウイルス感染
ウイルスには抗菌薬は効果がないため、胸の痛みや発熱などの症状に合わせて対処する対症療法が基本になります。


がんや膠原病など他の病気で胸膜炎が引き起こされている場合は、その病気の治療を優先します。

医療機関受診のポイント

胸の痛みや息苦しさがある場合はすぐに受診しましょう

診察室で医師に伝えること

診察の際に、以下のことを担当医師に伝えましょう。
どんな症状がいつ頃からあるか (胸の痛み、息切れ、呼吸が苦しいなど)
がんや膠原病など他の病気はあるか

受診すべき診療科目

内科
呼吸器科

きょうまくえん 胸膜炎