メディカルウェブ事典

ふうしん(みっかばしか) 風疹(三日ばしか)

風疹ウイルスによる感染症

診療科目

内科 小児科

分類

感染症

症状

発熱・発疹・リンパ節の腫れが特徴的な症状

顔の赤みの例
腹部の薄い赤みの例

風疹の主な症状は以下のとおりです。
ウイルスに感染後、2〜3週間程度の潜伏期間を経て症状があらわれます。発熱や発疹は3日程度で落ち着きます。

発熱
発疹
リンパ節の腫れ

初期の段階では、全身のだるさなど風邪のような症状が見られます。
その後、発熱や発疹が見られます。発疹は耳の後ろに小さなブツブツができることが多く、程度に差はありますが、全身にも見られます。
また、リンパ節の腫れは、首や後頭部、耳の後ろで見られ、コリコリしたしこりのようなものや、後頭部に痛みを感じることがあります。

【学校の出席停止について】
風疹は、感染力の強い感染症です。
そのため、第2種の感染症に指定されており、学校保健安全法で一定期間の出席停止が義務付けられています。
出席停止の期間は、発疹が消えるまでです。ただし、医師が感染のおそれがないと認めたときはこの限りではありません。

原因

風疹ウイルスによる感染

風疹の原因は、風疹ウイルスによる感染です。
感染経路は飛沫感染です。感染者がくしゃみや咳をした際に飛び散った飛沫を吸い込むことにより感染します。

【成人の感染者の増加】
2011年にアジアで大規模な風疹の流行があり、日本でも首都圏や近畿地方を中心に患者数が増加しました。このとき、患者の9割は成人という報告があり、予防接種を受けていない世代を中心に感染が拡大しました。
日本では、1977年8月〜1995年3月までは中学生の女子のみが公費(無料)で予防接種を受けられる定期接種の対象でした。1995年4月以降は対象に男子も含まれるようになりましたが、最近の流行期では、予防接種を受けていない世代の男性を中心に感染が広がっていることがわかっています。

診断と治療

風疹(三日ばしか)の診断

風疹の診断では、特徴的な症状から風疹と疑われる場合は、ウイルスを特定するための検査を行います。
検査は血液検査が一般的です。ただし、血液を採取する時期によっては陰性となることもあるため、複数回行うこともあります。

風疹(三日ばしか)の治療

風疹には特効薬はないため、安静にしてウイルスが排出されるのを待ちます。
発熱や関節炎などの症状が強い場合には、解熱剤や痛み止めの薬を服用します。

【日常生活の注意点】
症状が落ち着き、体力が回復したからとって外出するのは控えましょう。
発疹がすべて消えるまでは、他人にうつしてしまう可能性があり、感染拡大につながります。
特に成人の場合、職場での感染が問題になっていますので、自己判断で出社せず、医師の判断を仰ぎましょう。

予防

ワクチンの接種を

風疹の予防はワクチンの接種(予防接種)を受けることが基本です。
2006年以降、麻疹(はしか)と風疹の混合ワクチン(MR混合)は、公費(無料)で受けられる定期接種になっています。男女問わず、1歳と小学校入学前(6歳)の2回接種します。

予防接種を受けていない世代の方やこれまでに風疹にかかったことのない方は、風疹抗体検査を受けることができます。
風疹抗体検査は、風疹ウイルスに免疫があるかどうかを調べることができます。免疫がない場合は、ワクチンを接種するようにしましょう。
先天性風疹症候群の予防のため、妊娠を希望している女性とそのパートナーは、自治体によっては無料で受けられることもあります。各地域の保健センターに問合せましょう。

医療機関受診のポイント

発熱や発疹が見られたら受診を

発熱や赤い発疹などの症状があらわれた場合は、医療機関を受診しましょう。
風疹は特別な治療法はありませんが、医療機関を受診しないと診断することができません。風疹とわからないまま周囲に感染を拡げてしまうおそれもあるため、自己判断せず、医師の診断・指示を仰ぎましょう。

診察室で医師に伝えること

医療機関を受診する際は、以下の内容を医師に伝えましょう。
いつから発疹が出始めたか
頭痛の有無
関節痛の有無
皮膚のあざの有無

受診すべき診療科目

小児科
内科

ふうしん(みっかばしか) 風疹(三日ばしか)