症状
38度以上の高熱になることが多く、膀胱炎の症状を伴うことも
主な症状は以下のとおりです。
● 38度以上の高熱
● 背中や腰の痛み
● 吐き気、嘔吐
● 寒気 など
高熱になることが多く、日中は熱が下がっても夕方になると再び上がってくるという特徴もあります。
ただし、高齢者の場合、発熱などの自覚症状がわかりにくいことがあります。
また、膀胱炎から腎盂腎炎になることがあります。その場合は膀胱炎の症状を伴います。
● 排尿時痛
● 頻尿
● 残尿感
● 血尿
● 尿が白く濁る など
原因
細菌が尿道口から尿道を通って腎臓に達することで感染
尿道口周辺の細菌が、尿道口から尿道を通って腎臓まで達してしまうことで腎盂腎炎になります。
通常は、細菌が入っても尿とともに体外に排出されたり、細菌に対しての免疫機能が働きますが、疲労やストレス、妊娠中などで抵抗力が低下している場合、腎盂腎炎になることがあります。
1) 女性の腎盂腎炎について
女性の場合、原因菌はほとんどが大腸菌といわれています。
男性に比べて女性は尿道が短く、尿道口から細菌が入りやすい身体の構造になっています。特に、性行為や出産時などは菌が入りやすいため20〜30代女性に多く発症します。また、高齢の場合は筋力低下により尿を最後まで出し切れなくなることで感染しやすくなります。
2) 男性の腎盂腎炎について
男性は陰茎があり尿道が長いため、外部からの感染はほとんどありません。尿路のほかの病気によって尿が尿管から腎臓に停滞することで起こります。
以下のような病気が、腎盂腎炎の主な原因になります。
● 前立腺肥大症
● 神経因性膀胱炎
● 尿路結石
また、何らかの理由で尿道カテーテルを留置している場合も、カテーテルは異物のために細菌が付着・増殖しやすく、腎盂腎炎を起こしやすくなります。
ステロイドなど免疫力を低下させるような治療を長い期間行っている場合も、危険性は高まります。
診断と治療
腎盂腎炎の診断
症状から腎盂腎炎が疑われる場合は、血液検査や尿検査を行い、細菌の有無とその種類を調べます。
尿の出が悪く、尿が体内にたまっている可能性がある場合は、腹部CTで腎臓の状態を確認します。
腎盂腎炎の治療
原因菌に対して抗生剤を内服、もしくは、点滴で投与します。
● 軽症の場合
外来通院と内服のみで回復することが多いです。外来受診で点滴をすることもあります。
● 重症の場合
入院治療が必要です。点滴で、水分補給と抗生剤の投与を行います。
前立腺肥大症などほかの病気が原因となっている場合は、その病気の治療も同時に行います。
医療機関受診のポイント
高熱や吐き気があり、また排尿時痛など、気になる症状があれば速やかに医療機関を受診しましょう。
診察室で医師に伝えること
● 発熱の程度と起こった時期、熱が上がりやすい時間帯
● 最近の尿の出具合
● 排尿時痛などの症状の有無
● 痛みがある場合はその場所
● かかったことのある病気
● 飲んでいる薬
受診すべき診療科目
● 内科
● 泌尿器科