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だいちょうけいしつしょう 大腸憩室症

大腸に袋状の突起=憩室ができる

診療科目

内科 消化器科

からだの部位

腹部 食道・胃・腸

分類

消化器

症状

大腸憩室症は症状はなく、大腸憩室炎になると腹痛や下痢に

憩室とは、大腸の壁が袋状に膨らんでできる小さな突起のようなものです。
憩室そのものはよくあることで、10人に1人は大腸に憩室があるといわれています。憩室それ自体が病気の原因になったり、何からの不調を引き起こすことはありません。

何らかのきっかけで憩室に便が入り込み、炎症や感染症を起こすと「大腸憩室炎」という病気になり、以下のような症状が見られます。

【大腸憩室炎の症状】
腹痛
下痢
便秘
発熱
血便

大腸憩室炎は、症状が進行すると、大腸に穴が開く「穿孔」や大腸の通り道が狭くなる「狭窄」、塞がってしまう「閉塞」を起こすことがあります。腹膜炎を合併することもあります。

原因

大腸に憩室ができる大きな原因は便秘

大腸の憩室は先天性のものと後天性のものがあります。ほとんどの場合は後天性です。
後天的に憩室ができる原因の1つは、便秘です。便秘により大腸の内側から圧力がかかり、腸壁の弱い部分が押されて飛び出すことで生じます。

大腸憩室炎は、憩室に便が入り込むことで炎症を起こします。食物繊維の不足により起こるのではないかと指摘されています。

診断と治療

大腸憩室症の診断

憩室があることだけでは症状がありませんが、憩室炎となり腹痛などの症状がある場合は検査を行います。
腹部の右側にある上行結腸、左側の直腸につながる付近にあるS状結腸にできやすいといわれています。
急性虫垂炎や大腸がんと症状が似ているため、CT検査やエコー検査を行って診断をします。

大腸憩室症の治療

健康診断や人間ドックなどで憩室が見つかっても、症状がない場合には治療の必要はありません。
定期的に検査を受けるようにして、憩室が増えているか、炎症が起きていないかなど経過を見ていく必要はあります。また、食物繊維を積極的に摂るなど食生活は見直した方がよいでしょう。

【大腸憩室炎の治療】
炎症が起きている大腸憩室炎の場合、軽症であれば抗生物質の内服で治療をします。
大腸憩室炎は、再発することが多いという特徴があるため、回復後も食物繊維を摂り、便秘を予防することが大切です。

大腸憩室炎の症状が進行して穿孔や狭窄・閉塞が認められる場合は手術を行います。
腹膜炎を起こしている場合は、生命に関わるため、緊急手術を行い、人工肛門を用いるなど大規模な手術になります。

予防

便秘をしない生活を心がけましょう

食物繊維の不足で大腸憩室症の方は増えていると考えられています。
日頃から食物繊維や水分を十分に摂り、便秘をしない生活を心がけるようにしましょう。適度な運動も便秘予防に効果的です。

医療機関受診のポイント

腹痛や発熱などの症状がある場合は速やかに受診を

診察室で医師に伝えること

何らかの症状がある場合はいつからどのように症状があるか
大腸に憩室があるのを知っている場合には、経過観察中であること

受診すべき診療科目

消化器科
内科

だいちょうけいしつしょう 大腸憩室症

診療科目

内科 消化器科

からだの部位

腹部 食道・胃・腸

分類

消化器