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へんけいせいかたかんせつしょう 変形性肩関節症

肩関節の組織がすり減り痛みや腫れが発症

診療科目

整形外科

からだの部位

四肢 骨・関節

症状

腕を上げる時に痛みがあり進行すると日常生活に支障も

変形性肩関節症の主な症状は以下のとおりです。
肩関節を動かしたときの痛み
肩関節の腫れ
肩がだるい、重いと感じる
運動障害

脇の下から肩関節の外側にかけての痛みが特徴的です。首から肩にかけての痛みと勘違いされることが多いですが、この場合は頚椎症など首に原因があることがほとんどです。

症状が進行してくると、骨同士のクッションとなる軟骨がすり減った状態になるため、痛みは強くなります。また、痛みに伴い、ゴリゴリ・グギグギといった骨同士が擦れる音がする場合があります。
腕を上げるなど肩関節を動かすたびに痛みがあるため、以下のような日常生活の動作も困難になります。
服を着替える
洗濯物を干す
高い所のものを取る

原因

加齢に伴う筋力の低下や肩への負荷で発症

変形性膝関節症の原因は、一次性と二次性の2つに分けられます。

1) 一次性の原因
以下の原因が考えられますが、明確な原因はわかっていません。
近年では、70〜80代の高齢者での発症が増加しているといわれています。
加齢に伴う筋力の低下
体質や遺伝


2) 二次性の原因
ほかの病気やケガなどを原因とするものです。
例)
肩関節の脱臼
腱板断裂
上腕骨頭壊死 など

激しい運動や、重労働など、肩関節に負荷を受けると発症すると考えられています。

診断と治療

変形性肩関節症の診断

変形性肩関節症は、レントゲン検査、MRI検査などの画像検査で診断をすることができます。
関節リウマチとよく似た症状であるため、区別するために関節内液の検査や血液検査を行うことがあります。

レントゲン検査
肩関節は、肩甲骨の関節窩に上腕骨頭がはまり込む形になっており、その周りを腱板や腱、筋肉などが支えています。
レントゲン検査では、肩甲骨の関節窩と上腕骨頭との間の空間を確認します。正常の状態よりも狭くなっている、または接触している状態であれば、軟骨がすり減っており、変形性肩関節症の可能性が高くなります。

MRI検査
レントゲン検査よりも詳しく、骨、軟骨の状態を確認します。

変形性肩関節症の治療

変形性肩関節症の治療は、基本的に保存療法を行います。
進行しており、保存療法では改善されない場合には手術を行います。

1) 保存療法
薬物療法
痛みの症状を改善することが目的です。
内服薬や外用薬で痛みや炎症をコントロールします。

運動療法
痛みをコントロールした上で、加齢などにより低下した筋力を強化して関節にかかる負担を軽減を目指します。
また、硬くなった筋肉を、ストレッチや患部を温めるなどの温熱療法によりほぐします。
激しい運動は逆に症状を悪化させる原因にもなるので、リハビリスタッフや主治医の指示に従い、無理のない運動を継続して行うことが大切です。

2) 手術療法
薬物療法、運動療法でも改善がみられない場合は、手術治療を行います。
内視鏡で炎症している部分を取り除く方法と、関節を人工関節に置き換える方法があります。

予防

筋力低下を防ぐため適度な運動を

変形性肩関節症は、老化に伴う筋力の低下、体質や遺伝などが原因となり発症するといわれています。
そのため、適度な運動や肩関節のストレッチなどを行い、筋力の低下や筋肉が硬くなってしまうこと防ぐことが予防につながります。

医療機関受診のポイント

肩を動かした時に痛みや違和感がある場合には、変形性肩関節症などの肩関節の異常の可能性があります。医療機関にて検査、治療を受けることをお勧めします。

診察室で医師に伝えること

受診の際は、以下のことを医師に伝えるようにしましょう。
痛みの程度、出現時期
肩関節の病気や外傷の既往歴
変形性肩関節症と診断された家族の有無

受診すべき診療科目

整形外科

へんけいせいかたかんせつしょう 変形性肩関節症