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がいしょうせいけいぶしょうこうぐん 外傷性頚部症候群

一般的にむちうちと呼ばれる状態

診療科目

整形外科

からだの部位

症状

三大症状は頭痛と首の痛み、動かしにくさ

首の部分である頚部は、頭部を支え、脳からの中枢的な神経の通り道でもあります。そのため、ダメージを受けると、様々な症状がみられます。

外傷性頸部症候群の三大症状は以下のとおりです。
頭痛
頚部痛(首の痛み)
頚椎の運動障害(首の動かしにくさい)
中でも、頚部痛は、ほぼすべての患者が訴える症状です。

三大症状以外にも、以下のような症状を伴うことがあります。
首から背中にかけての痛みやこり
肩や腕の脱力感
めまい
目のかすみ
眼精疲労
耳鳴り
動機
声のかすれ
吐き気
顔面紅潮
全身倦怠感
記憶障害  など

【症状のあらわれ方】
受傷直後から症状が出現する場合もあれば、約1/5は受傷後12時間以降に症状が出現しています。
数日後に症状が出現する場合もあるため、受傷直後に症状がないから大丈夫ということではなく、数日間は十分に注意する必要があります。

原因

交通事故によるケガで発症することが多い

外傷性頚部症候群は、頸椎の靭帯、椎間板、関節包、および頸部の筋肉、筋膜がダメージを受けることで発症します。
原因として最も多いのは、交通外傷=交通事故によるケガです。
他にも頚部に強い外的ストレスを受けることにより発症します。

診断と治療

外傷性頚部症候群の診断

外傷性頸椎症候群は、外傷を受けた時の状況や症状を十分に問診します。
痛みや痺れの程度を確認し、症状に合わせて頭部圧迫試験、四肢腱反射、筋力検査、知覚検査などの神経学的検査を行います。
また、レントゲン検査やMRI検査で頚部の状態を確認して診断を行います。

外傷性頚部症候群の治療

外傷性頚部症候群の治療は、安静や固定による保存療法が基本となります。
ただし、症状が軽い場合には必ずしも必要ではなく、速やかに日常生活に戻るのが望ましいとされています。

安静
受傷直後は、頚部の負担を軽減しながら安静にします。
重篤な場合は、入院して安静を促す必要があります。

固定
状態に応じて、首を安定させるために頚椎カラーを使用することがあります。
ただし、長期間の装用は、筋力の低下や肩こりの原因になるため、注意が必要です。

薬物療法
痛みが強い場合には、症状緩和のためのお薬を使用します。

医療機関受診のポイント

交通事故や首に激しい衝撃を受けた場合は、外傷性頸部症候群を発症する可能性があります。数日後に症状が出現する場合もあります。受傷後は医療機関の診察を受けることをおすすめします。

診察室で医師に伝えること

医療機関受診時は、以下の内容を医師に伝えましょう。
いつから症状があるか、またその程度
交通事故などが原因となる場合は事故の時期
外傷性頸椎症候群の既往や頸椎疾患の既往があれば必ず伝える

受診すべき診療科目

整形外科

がいしょうせいけいぶしょうこうぐん 外傷性頚部症候群