症状
ポリープが小さい段階では自覚症状はほぼなし
胃・食道ポリープは、ポリープができても自覚症状がないことが多いです。
これは、そのほとんどが良性であるため、悪性のものより、ポリープが大きくなる速度がゆっくりで、小さいものが多いためです。
ポリープの状態や場所によっては以下のような症状が見られることがあります。
1) 食道にポリープがある
● 胸のつかえ感
● 胸やけ など
2) ポリープから出血がある
● 吐血
● 下血
● 貧血 など
胃のポリープで、がんになる危険性のあるものを腺腫といいます。
早期段階では自覚症状はありませんが、がんに進行する過程で、貧血や吐血、タール便(黒いどろっとした便)、食欲低下、体重減少などの症状がみられるようになります。
原因
胃ポリープはピロリ菌感染が影響していることが多い
胃・食道ポリープは、胃炎やウイルス感染によって胃や食道の粘膜がダメージを受け、それを修復する過程で組織が隆起したことによるものです。
食道よりも胃の方がポリープができやすいといわれています。
● 胃ポリープ
もっとも多いのが、ピロリ菌感染による胃炎です。
また、がんになる危険性のある腺腫は、萎縮した胃に見られ、高齢の方に多いです。
● 食道ポリープ
自然界に一般的に存在するパピローマウイルスの感染や、逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアによる炎症が原因になることがあります。
診断と治療
胃・食道ポリープの診断
胃・食道ポリープは、自覚症状がほとんどありません。
そのため健康診断や人間ドックで行われるバリウム検査や内視鏡検査で発見・診断される場合が多いです。
胃のポリープでは、ピロリ菌に感染していることが多いため、併せてピロリ菌検査を実施します。
良性であることが多いですが、胃ポリープはがんになるケースもあります。
ポリープの状態によっては、組織を採取して病理検査を行います。
胃・食道ポリープの治療
基本的には良性のポリープなので、症状がない場合は定期的に検査を行って経過観察をします。
ピロリ菌に感染している場合は、ピロリ菌の除菌治療を行うのが一般的です。
ポリープが大きく自覚症状がある場合や、胃ポリープで、がん、もしくは、がん化する危険性のあるものは内視鏡手術により切除します。
内視鏡手術なので、日帰りでできることが多いです。
予防
バランスの良い食生活を
胃・食道ポリープのうち、胃ポリープは胃炎があるとできやすいといわれています。
胃炎は、ピロリ菌感染やストレス、食生活の乱れなどが原因になります。規則正しい生活で十分な休養と栄養をとることが大切です。
また、ピロリ菌は、胃がんになるリスクを高めるため、胸やけや胃痛を感じやすい方は、あらかじめピロリ菌検査を受けるとよいでしょう。
医療機関受診のポイント
胸やけや胃の不快感がつづく場合は受診しましょう
胸やけや、つかえ感、上腹部の違和感などを感じたときや、便が黒いと感じたら、食道や胃でポリープができている可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう。
自覚症状がなくても、健康診断や人間ドックで食道炎や胃炎を指摘された場合には、ポリープができやすい環境です。定期的に検査を受けてください。
診察室で医師に伝えること
医療機関を受診した際には、次のことを伝えるようにしましょう。
● いつから症状があるか
● どのような症状があるか
● 普段の食生活の内容
● ストレスを受けやすい環境であるかどうか
受診すべき診療科目
● 内科
● 消化器科
基本的には消化器科を受診しましょう。内視鏡検査をすることが多いため、検査の設備があるかどうか事前に確認するとよいでしょう。