症状
感染初期は症状がないことが多い
非結核性抗酸菌症の主な症状は以下のとおりです。
感染してから症状が出るまでには長期間かかるといわれています。自覚症状がないまま健康診断などで発覚することもあります。
● 咳
● 痰
● 全身倦怠感(だるい)
● 体重減少
● 発疹やしこり
非結核性抗酸菌は、肺や皮膚に感染しますが、肺の感染の方が多いといわれています。そのため、発疹やしこりが出ない場合もあります。
原因
結核菌以外の抗酸菌の感染による
非結核性抗酸菌症の原因は、結核菌以外の抗酸菌に感染することです。
非結核性抗酸菌は英語で「Non-Tuberculousis Mycobacteria」というため、その頭文字をとってNTM感染症と呼ぶこともあります。
非結核性抗酸菌は150種類以上あるといわれています。しかし、非結核性抗酸菌症の原因は約8割がMAC菌という種類です。土壌や水の環境下にいる菌で、家庭の水回りの掃除やガーデニングの際に感染するのではないかと考えられています。
診断と治療
非結核性抗酸菌症の診断
非結核性抗酸菌症の診断では、以下の検査を行います。
● 画像検査
胸部レントゲン検査やCT検査で、特徴的な影がないかを確認します。
● 喀痰検査
痰を採取して培養します。非結核性抗酸菌が検出されるかを調べます。
この検査は、1回だけでなく、複数回行って診断となります。
喀痰検査で結果がわからない場合には、気管支鏡検査を行うことがあります。
非結核性抗酸菌症の治療
非結核性抗酸菌症は、結核とは異なり、明確な治療法は確率されていません。
いくつかの抗菌薬を併用して服用します。
治療は、1年以上の長期にわたることが多く、完全に菌が消えることは稀です。症状が改善して治療を終了した後も、再発することがあるため、定期的に検査を受ける必要があります。
非結核性抗酸菌症は、結核のように人から人へ感染することはありません。
そのため、入院により隔離など日常生活を制限されることはありません。
医療機関受診のポイント
健康診断で肺に影があるといわれたら早めに受診を
非結核性抗酸菌症は、感染初期には自覚症状がないことも多くあります。そのため、健康診断などでの胸部の画像検査から発覚することもあります。健康診断結果で要再検査となった場合には早めに医療機関を受診するようにしてください。
診察室で医師に伝えること
診察の際は、以下を医師に伝えましょう。
● いつ頃からどのような症状があるか
● 周囲に同じような症状の人はいるか
● 健康診断の結果(ある場合)
● 肺に病気はあるか(過去にあったか)
受診すべき診療科目
● 内科
● 呼吸器科