症状
発熱などの軽度なものから重度なものまで様々
予防接種の副反応には、軽度のものから重篤なものまで様々です。
例えば、以下はワクチンに対する正常な反応としてよく起こります。
● 発熱
● 注射をした部位が赤くなったり、腫れたりする
ごく稀ですが、以下のような重篤な副反応が出ることもあります。
● アナフィラキシー
全身に痒みが出たり、腹部症状が出たりします。
アナフィラキシーショックになると、急激に血圧が低下し、呼吸状態が悪くなり、命に関わることがあります。
● 脳炎・脳症
脳神経に炎症などの異常が起こることがあります。
● けいれん
ワクチンが脳神経に作用することで、けいれん発作が起こることがあります。
● 運動障害
手足のしびれや動かしづらさを感じることがあります。重篤な場合、歩行困難など、通常の日常生活を送れなくなることもあります。
また、受けるワクチンにより、以下のような副反応が出ることがあります。
1) BCGワクチン
● 全身播種性BCG感染症
● 骨炎、骨髄炎
● 皮膚結核様病変
2) 日本脳炎
● 急性散在性脳脊髄炎
● 急性血小板減少性紫斑病
3) 水痘
● 急性血小板減少性紫斑病
4) 急性灰白髄炎(ポリオ)
ポリオの予防接種を受けることにより、実際にポリオを発症してしまうことがあります。
原因
ワクチンが身体内に入ってきたことに身体が抵抗するため、摂取した部分が赤くなったり、熱が出たりします。
また、ワクチンを打つということは病気のもとを身体に取り込んでいるので、その病気にかかった場合と同様の症状が出ることがあります。
診断と治療
予防接種副反応の診断
予防接種後に起こる症状であるため、ワクチンとの関係が容易に認められそうですが、予防接種の副反応と認められるのは難しいというのが実情です。
その症状が予防接種が原因であるのか、もしくは、予防接種を受けた時期と症状がでた時期が偶然同時期に起こったのかを判別することが難しいためです。
予防接種による副反応と確定される条件は、以下のように提唱されています。
● 副反応の最初の症状が、予防接種をした後に起こったか
● その予防接種をした人だけに症状が起こり、予防接種をしなかった周囲の人には同様の症状が起こらなかったか
● 起きている症状が副反応として起こることの科学的根拠が説明できるか
● 予防接種以外の原因が、副反応として起きている症状を引き起こすか
● 生ワクチンが使用された場合には、そのワクチンに使用していたものと同じ特徴の菌が見つかったか
予防接種副反応の治療
それぞれの副反応に応じた治療を行います。
医療機関受診のポイント
ワクチン接種後に、発熱が長引いたり、意識障害が出たりした場合は、ワクチンを接種した医療機関を受診しましょう。
診察室で医師に伝えること
医療機関を受診する際は、以下の内容を医師に伝えましょう。
● ワクチンの種類と接種した日時
● 副反応と思われる症状の程度、起こった日時
● ワクチン接種前の体調
● かかったことのある病気
● 内服している薬
受診すべき診療科目
● 内科
● 小児科