症状
息切れや胸の痛み
胸水により肺や心臓が圧迫されるため、以下のような症状がみられます。
● 息切れ
● 呼吸困難
● 胸の痛み
● 胸の違和感
細菌などの感染で起こる場合は、咳や痰、発熱などの症状も見られます。
しかし、自覚症状がまったくない場合もあります。
原因
胸水の原因は多岐にわたります。病気が原因となって胸水を引き起こしていることがほとんどです。
胸水は、大きくわけると滲出性胸水と漏出性胸水があり、原因が異なります。
1) 滲出性胸水(しんしゅつせいきょうすい)
● 肺炎
● 胸膜炎
● 肺がん
● 悪性リンパ腫
● 結核 など
2) 漏出性胸水(ろうしゅつせいきょうすい)
● 心不全
● 肝硬変(肝不全)
● ネフローゼ症候群 など
診断と治療
胸水の診断
胸水の診断は、胸部レントゲン検査で胸水が貯まっているかどうかを確認します。
より詳しく調べるために、以下の検査を行うことがあります。
● CT検査
肺や胸水の状態がより詳しく判断できます。
肺炎、肺動脈閉塞、肺膿瘍、がんなどの原因となる病気が明らかになることがあります。
● 胸腔穿刺
胸に細い針を刺して、胸水を直接採取します。
胸水の性状(滲出性か漏出性か)を調べ、原因の特定に役立てます。細菌の有無を調べることもできます。
胸水の貯留がレントゲンなどでは確認できない場合、超音波検査や胸腔鏡を行うこともあります。
胸水の治療
基本的には、胸水の原因となっている病気の治療を優先します。
胸水の量が多く、息切れや呼吸困難などの自覚症状がつよい場合は、胸水を減らすための治療を行います。
● 胸腔穿刺
エコーで胸水が貯まっているところを確認しながら、胸に針を刺して胸水を抜く方法です。
● 胸腔ドレナージ
たまった胸水の量が多い場合には、ある程度の量の胸水を体の外へ排出する必要があります。
排液用チューブを胸腔内に留置し、持続的に吸引を行う方法です。
医療機関受診のポイント
息切れや息苦しさを感じたら早めに受診しましょう
診察室で医師に伝えること
診察の際は、以下を医師に伝えましょう。
● いつからどのような症状があるか
● 治療中の病気はあるか
● 使用中の薬の種類
● 今までに肺の病気を指摘・治療されたことがあるか
受診すべき診療科目
● 内科
● 呼吸器科