症状
こぶの大きさは米粒〜ピンポン玉大まで様々
ガングリオンは中にゼリー状や水あめ状の内容物がたまっている腫瘤(こぶ状の塊)です。
中にたまっている内容物は、関節や腱の滑りを滑らかにする作用を持つ滑液や関節の中に存在する関節液が濃縮されたものです。
ガングリオンには以下の特徴があります。
1) ガングリオンができる部位
関節や腱鞘の近くにきでることが多いですが、神経や骨、筋肉など、身体のどのような部分にも生じます。
例)
● 手首の甲側の親指側の真ん中あたり
● 手首の手のひら側の親指や指の付け根あたり
● 足の甲、足の裏の親指や付け根あたり
※上記は一例です。手足以外にできることもあります。
2) 大きさ
米粒くらいのものからピンポン玉くらいまで様々です。
3) 硬さ
軟らかいものも硬いものもあります。
4) 痛み
一般的に痛みはないですが、こぶが神経を圧迫した場合はしびれや痛みを生じることがあります。
5) その他
● 若い女性に多くみられます。
● 指の付け根にできた場合、腱鞘炎になることがあります。
● 足にできた場合、歩行やスポーツの妨げになることがあります。
原因
はっきりとした原因はわかっていません。
手をよく使うからできるわけでもありません。若い女性に多くみらますが、その理由もわかっていません。
診断と治療
ガングリオンの診断
発生部位や見た目、触診でガングリオンが疑われる場合は、腫瘤に注射針を刺して内容物を吸い出します。
ゼリー状の内容物が確認できればガングリオンと診断されます。
皮膚の表面からはわかりにくい深い部分にあるものや、触って確認できない小さなもの、他の疾患が考えられる場合は、超音波検査やMRI検査を行います。さらに、判別がつきにくい場合は一部の組織をとって調べる生検を行うこともあります。
ガングリオンの治療
痛みがなく、日常生活に支障がなければ、治療の必要はなく経過観察になります。
痛みやしびれがある場合、関節の動きが妨げられている場合などは以下の治療を行います。
● 注射器で内容物を吸引する
何度か吸引を行うことでガングリオンはなくなります。手術に比べて傷跡は残りにくいですが、再発する可能性があります。
● 押しつぶす(圧砕法)
指でガングリオンに力を加えて押しつぶす方法があります。つぶす際に周囲の神経や組織を傷つける場合もあるので、必ず医師が行い、自分でつぶさないようにしましょう。
● 手術
注射針で内容物を吸引しても再発する場合は手術を行うことがあります。ガングリオンの内容物だけではなく、ガングリオンの内容物を包んでいる袋まで切除します。関節包や腱鞘から発生している根元の部分が残ると再発するので、根元の部分までしっかりとる必要があります。
医療機関受診のポイント
身体にこぶがみられたら、どのような腫瘤であるかの判断するために、一度医療機関を受診しましょう。
診察室で医師に伝えること
身体にこぶができて受診した際には、医師に次のことを伝えましょう。
● こぶのある部位
● 痛みの有無
● いつからこぶができたか
● 大きさに変わりはあるか
● しびれや動かしにくいなどの症状はないか
● 日常生活でこぶがあるために困っていること(見た目の問題も含めて)
● 治療中の病気はあるか
● 飲んでいる薬はあるか
受診すべき診療科目
● 整形外科
● 皮膚科