症状
腰に鈍痛を感じることもあるが自覚症状がないことも
腎結石の主な症状は、腰部の鈍痛です。
ただし、腎臓に結石がある場合は自覚症状がなく経過し、健康診断などの検査を受けた際にたまたま見つかることも少なくありません。
結石というと激しい痛みを伴うイメージがあるかもしれませんが、これは腎臓内でできた結石が尿管や膀胱、尿道に移動するとみられる症状です。
原因
尿中の成分が結晶化することで結石ができる
尿中にあるカルシウム、シュウ酸、尿酸、リン酸などが結晶化したり、小粒子が濃縮したりすることで結石がつくられます。これらの物質はもともと尿中に無数にあるため、結石は誰にでも生じます。ただし、尿は結晶の集積を妨げる成分を含んでいるため、結石の形成を抑制していますが、以下のような要因があると、結石ができやすくなります。
● 水分摂取量が少ない
● 動物性たんぱく質や塩分、シュウ酸の多い食生活
● 長時間寝たきり、あるいは動けない など
また、副甲状腺機能亢進症、シスチン尿症、痛風などの方は、結石ができやすいといわれています。
診断と治療
腎結石の診断
腎結石の診断では、尿検査と超音波検査を行うことが一般的です。超音波検査をすることで、結石を確認することができます。
レントゲン検査やCT検査を行う場合もあります。
腎結石の治療
自覚症状はなく、健康診断などで偶然見つかった腎結石の場合、結石の大きさが1cmに満たなければ、積極的な治療は行わず、経過観察とすることが多いです。尿量を増やす、身体を動かすなどで自然に結石が排泄されることを目指します。その際に、利尿薬などの内服薬を使用する場合もあります。
結石が大きく自然に排泄できない場合は、結石を砕く必要があります。以下の治療方法があります。
● 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
結石のある部分に体外から衝撃波を当てて、結石を砕く治療法です。石を十分に小さくすることで、自然に排泄されるようにします。
身体の外から衝撃波を当てるため、切ったりすることはありませんが、衝撃波が当たる際に少し痛みを感じることがあります。
● 経皮的腎結石破砕術(PNL)
背中側から腎臓に小さな穴を開けて内視鏡を挿入します。内視鏡で結石を確認しながら、レーザーや超音波を当てて結石を砕く方法です。
以前は開腹手術をすることもありましたが、現在ではあまり一般的な方法ではありません
予防
結石は再発することがあるため、結石ができにくい生活習慣を心がけることが大切です。
● 食生活
プリン体を多く含む食品、高カロリー食品、シュウ酸を含むほうれん草やたけのこなどは、結石の原因となりやすいため、摂り過ぎには注意しましょう。
● 水分摂取
尿量が少なくなると、尿の濃度が上がって結石ができやすくなります。十分に水分を摂るようにしましょう。
医療機関受診のポイント
健康診断などで腎結石があるといわれた場合、治療方針を立てるためにも一度は医療機関を受診し、専門医の診察を受けましょう。
診察室で医師に伝えること
医療機関を受診した際は、以下のことを医師に伝えましょう。
● 痛みや血尿などの自覚症状はあるか
● 既往歴や現在治療中の病気
● 飲んでいる薬
● 家族で腎結石を含む尿路結石と診断された人がいないか
受診すべき診療科目
● 泌尿器科