症状
耳やあごの下の腫れを数ヶ月〜数年単位で繰り返し発症
反復性耳下腺炎の症状は、以下のとおりです。
これらの症状を、数ヶ月〜数年単位で繰り返し発症するのが特徴です。
● 耳やあごの下の腫れ
● 腫れた部分の痛み
反復性耳下腺炎は、唾液腺である耳下腺、顎下腺に炎症が起こることで、耳やあごの下に腫れが生じます。
ほとんどの腫れは片側のみで、2〜3日程度で治まることが多いです。まれに発熱を伴うこともありますが、熱は出ないことの方が多いです。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の初期症状と似ていますが、流行性耳下腺炎の腫れは、2〜3日で増強し、片側から両側に拡がることがあります。
また、出席停止となる流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と異なり、反復性耳下腺炎は他人に感染しません。
原因
明確な原因は不明
反復性耳下腺炎の原因は明らかになっていません。
発症要因として、以下が考えられています。
● アレルギー反応
● ウイルス感染
● 唾液停滞
● むし歯
● 疲労
● 耳下腺の先天性異常 など
免疫力が低い子どもが発症しやすく、成長につれ自然に症状がでなくなることが多いですが、大人でもストレスや疲労などで免疫力が低下すると発症する場合があります。
診断と治療
反復性耳下腺炎の診断
反復性耳下腺炎の診断では、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と区別することが大切です。
問診や触診で腫れの状態を確認します。超音波検査や血液検査を行うこともあります。
反復性耳下腺炎の治療
反復性耳下腺炎の治療は、症状に合わせた処置をする対症療法が中心になります。
細菌感染を考え、抗生剤の服用や、痛みが強い場合には冷湿布や消炎鎮痛剤を使用します。
反復性耳下腺炎は他人に感染する病気ではないため、元気があれば学校や幼稚園、保育園に行っても問題ありません。
食事や入浴の制限もありませんが、腫れている部分の痛みが強い場合は、酸っぱいものは避けましょう。
予防
口の中を清潔に保ち、疲れをためないようにしましょう
反復性耳下腺炎のはっきりとした原因はわかっていませんが、口の中の清潔や免疫力との関連が指摘されています。
次のことを気をつけるようにしましょう。
● こまめなうがい、歯みがきで口の中を清潔に保つ
● むし歯や慢性の扁桃腺炎があれば治療を行う
● 休養を十分に取り、ストレスや疲労をためないようにする
医療機関受診のポイント
耳の下の腫れがみられたら、早めに受診を
反復性耳下腺炎は自然に治ることもありますが、他人に感染するおそれのある流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)と見分けることが大切です。耳やあごの下がいつもより腫れている、腫れている部分に痛みがあるなどの症状に気づいたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
診察室で医師に伝えること
反復性耳下腺炎で医療機関を受診する場合、医師に次のことを伝えましょう。
● どのような症状がいつからあるか
● 症状を繰り返しているかどうか
● 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の予防接種を受けたかどうか
受診すべき診療科目
● 小児科
● 耳鼻咽喉科
● 内科